ヤーボイ® (イピリムマブ) 添付文書

ヤーボイ® (イピリムマブ) 添付文書

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A イピリムマブの貯法は、遮光し、凍結を避け、2-8℃で保存となっております[1]

ご参考に製剤の各種条件下における安定性を紹介いたします。

<参考>

◆製剤の各種条件下における安定性

テーブル

自動的に生成された説明

測定項目:性状、pH、含量、純度試験、不溶性微粒子等

※総照度120万lux・hr及び総近紫外放射エネルギー200W・h/m2[2]

◆溶解後の安定性

0.9%塩化ナトリウム注射液もしくは5%ブドウ糖注射液により1mg/mL又は4mg/mL(ブラケッティング法に従った中間の希釈濃度)に希釈し、ガラス瓶、ポリ塩化ビニル(PVC)製バッグ又は非PVC製(フタル酸ジ-2-エチルヘキシル(DEHP)非含有)バッグに入れ、室温(RT、約21°C)/室内光(RL、約700 lux)又は5℃で最長24時間保存して、製剤の適合性及び使用時間を評価しました[2]

希釈後の安定性

テーブル

自動的に生成された説明

測定項目:性状、pH、含量、純度試験等

一般に調製後の注射液を保存した場合、雑菌等の繁殖が懸念されるため、無菌性の観点から用時調製し、調製後は速やかに使用してください。[2]



A 本剤を原液(5mg/ml)で投与いただくことは可能ですが、投与時間は30分となるようにお願い致します[1]

添付文書に以下の記載がございます。

適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意

14.1.2 本剤は、そのまま、もしくは生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液を用いて1~4 mg/mLの濃度に希釈し、投与すること。

<用法及び用量に関連する使用上の注意>

〈効能共通〉

7.2 本剤は、30 分かけて点滴静注すること


参考文献


  • 1) 添付文書

  • A 投与中の遮光に関する規定はございません。

    ご参考に溶解後の安定性を紹介いたします。

    0.9%塩化ナトリウム注射液もしくは5%ブドウ糖注射液により1mg/mL又は4mg/mL(ブラケッティング法に従った中間の希釈濃度)に希釈し、ガラス瓶、ポリ塩化ビニル(PVC)製バッグ又は非PVC製(フタル酸ジ-2-エチルヘキシル(DEHP)非含有)バッグに入れ、室温(RT、約21°C)/室内光(RL、約700 lux)又は5℃で最長24時間保存して、製剤の適合性及び使用時間を評価しました[2]

    テーブル

自動的に生成された説明

    なお、貯法は遮光です[1]



    A  MDX010-20試験における本剤の投与回数は、先に実施されたMDX010-05試験及びMDX010-08試験の有効性及び安全性成績に基づいて設定しました。

    MDX010-05試験で本剤3mg/kgを3週間間隔で継続投与した群のBORR(10.3%)の方がMDX010-08試験で本剤3mg/kgを4週間間隔で4回投与した群(本剤単独投与)のBORR(5.0%)よりも高いことが示されましたが、いずれの投与方法においても治療効果の持続が認められました。特に、MDX010-08試験の本剤単独投与においてPRと判定された2例は、いずれも試験終了時まで治療効果が持続しました。

    一方で本剤と関連のある有害事象の発現頻度は、本剤3mg/kgを3週間間隔で継続投与した群の方が、本剤3mg/kgを4週間間隔で4回投与した群(本剤単独投与)よりも高くなっていました(本剤の作用機序に基づく特徴的な有害事象:75.9%(22/29例)うち重篤な有害事象41.4%(12/29例)、53.8%(21/39例)うち重篤な有害事象7.7%(3/39例))。

    これらの結果より、MDX010-20試験における本剤の投与回数は、本剤の治療効果を保持すると同時に、本剤の作用機序に基づく免疫関連の有害事象が発現する可能性を最小限に抑えるために4回と設定しました[2]



    A 本剤は高分子の抗体製剤であるため、凝集体が生成し微粒子が生じる可能性があることから設定しました。

    本剤は、孔径0.2ミクロン又は1.2ミクロンのポリエーテルスルホン製、及び孔径0.2ミクロンのナイロン製のインラインフィルターを用い、インラインフィルター通過前後のイピリムマブ溶液(1〜5mg/mL)について試験を実施したところ、これらのフィルターへの適合性が示されました[2]



    A 生ワクチン、弱毒生ワクチンと本剤を投与したデータはありませんが、不活化ワクチンと本剤を投与したデータとして、切除不能悪性黒色腫患者に対して本剤3又は10mg/kgが投与された海外無作為化第II相試験CA184004試験(n=82)では、本剤投与10日前(±3日)に破傷風ワクチン(n=71)、本剤投与5日後(±2日)にインフルエンザワクチン(n=51)及び肺炎球菌ワクチン(n=61)が接種されました。

    その結果、本剤投与後7週までの各ワクチンに対する3mg/kg、10mg/kg群の体液性応答の増加平均値は、それぞれ破傷風ワクチンに対して2.2、2.0、インフルエンザワクチン(A/H1N1、A/H3N2、B)に対して33.6~85.6、34.8~76.0、肺炎球菌ワクチン(2、6B、8、9V、14、19F、23F)に対して7.4~41.8、5.3~47.1でした。

    なお、新たな安全性シグナルは特定されず、本試験における安全性プロファイルは、ワクチンを投与しなかった他の本剤の臨床試験と一貫していました[3]


    参考文献


  • 3) 適正使用ガイド

  • A 添付文書上、腎機能低下患者に対する投与制限は設定しておりませんが、自己免疫疾患による腎機能障害、移植歴のある患者へは以下の記載で注意喚起しております。なお、自己免疫性の腎機能障害患者は、添付文書上、自己免疫疾患の合併のある患者に該当します。

    また、本剤の重大な副作用として、腎不全等の腎障害があらわれることがあり、死亡に至った例も報告されております。投与に際しては、定期的に腎機能検査等を行い、患者の状態には十分ご注意頂きますようお願い致します。

    9. 特定の背景を有する患者に関する注意[1]

    9.1 合併症・既往歴等のある患者

    9.1.1 自己免疫疾患の合併又は慢性的若しくは再発性の自己免疫疾患の既往歴のある患者

    自己免疫疾患が増悪するおそれがある。

    9.1.2 臓器移植歴(造血幹細胞移植歴を含む)のある患者 本剤の投与により移植臓器に対する拒絶反応が発現するおそれがある。

    <参考>

    ◆インタビューフォーム Ⅶ.薬物動態に関する項目[2]

    6.代謝:該当資料なし

    「バイオテクノロジー応用医薬品の非臨床における安全性評価」ガイドライン(ICH S6)(薬食審査発0323第1号、平成24年3月23日)において、「バイオ医薬品の期待される代謝は、小さなペプチド及び各アミノ酸への分解です。したがって、その代謝経路は一般によく分かっています。一般の医薬品で実施される従来の生体内変化を調べる試験は必要ない」と記載されており、イピリムマブについてもその代謝に関する検討は行いませんでした。

    7.排泄:該当資料なし

    「バイオテクノロジー応用医薬品の非臨床における安全性評価」ガイドライン(ICH S6)(薬食審査発0323第1号、平成24年3月23日)において、「物質収支を評価するための画一的な試験からはあまり有益な情報は得られない」と記載されています。排泄試験は放射性同位体で標識された薬物を用いて実施されるが、放射性同位体で標識された蛋白は小さな分子へと分解されて他の蛋白及びペプチドに取り込まれて再利用されることからデータの解釈は困難と考えられるため、排泄試験は通常実施されません。以上より、本剤についてもその排泄に関する検討は行いませんでした。



    A 添付文書上、透析患者に対する投与制限は設定しておりませんが、自己免疫疾患の合併又は既往歴のある患者、移植歴のある患者へは添付文書の以下の記載で注意喚起しております。なお、自己免疫性の腎機能障害患者は、添付文書上、自己免疫疾患の合併のある患者に該当します。

    また、本剤の重大な副作用として、腎不全等の腎障害があらわれることがあり,死亡に至った例も報告されております。定期的に腎機能検査等を行い、患者の状態には十分ご注意頂きますようお願い致します。

    9. 特定の背景を有する患者に関する注意[1]

    9.1 合併症・既往歴等のある患者

    9.1.1 自己免疫疾患の合併又は慢性的若しくは再発性の自己免疫疾患の既往歴のある患者

    自己免疫疾患が増悪するおそれがある。

    9.1.2 臓器移植歴(造血幹細胞移植歴を含む)のある患者

    本剤の投与により移植臓器に対する拒絶反応が発現するおそれがある。

    <参考>

    ◆インタビューフォーム 

    Ⅶ.薬物動態に関する項目[2]

    6.代謝:該当資料なし

    「バイオテクノロジー応用医薬品の非臨床における安全性評価」ガイドライン(ICH S6)(薬食審査発0323第1号、平成24年3月23日)において、「バイオ医薬品の期待される代謝は、小さなペプチド及び各アミノ酸への分解です。したがって、その代謝経路は一般によく分かっています。一般の医薬品で実施される従来の生体内変化を調べる試験は必要ない」と記載されており、イピリムマブについてもその代謝に関する検討は行いませんでした。

    7.排泄:該当資料なし

    「バイオテクノロジー応用医薬品の非臨床における安全性評価」ガイドライン(ICH S6)(薬食審査発0323第1号、平成24年3月23日)において、「物質収支を評価するための画一的な試験からはあまり有益な情報は得られない」と記載されています。排泄試験は放射性同位体で標識された薬物を用いて実施されるが、放射性同位体で標識された蛋白は小さな分子へと分解されて他の蛋白及びペプチドに取り込まれて再利用されることからデータの解釈は困難と考えられるため、排泄試験は通常実施されません。以上より、本剤についてもその排泄に関する検討は行いませんでした。

    9.透析等による除去率:該当資料なし

    5.分布

    (6)血漿蛋白結合率:該当資料なし

    2. 薬物速度論的パラメータ

    (5)分布容積 臨床試験で確認された血中濃度(MDX010-15試験)(外国人データ)

    根治切除不能な悪性黒色腫患者12例に本剤3mg/kgを単回投与したときの血漿中濃度から算出した

    分布容積平均値(標準偏差)は5.88L(1.61)であった

    Ⅱ.名称に関する項目[2]

    4. 分子式及び分子量

    分子量:145,389.43(タンパク質部分、4本鎖)



    A 添付文書上、重度の肝機能障害のある患者への投与に関して、以下の記載で注意喚起しております。

    投与に際しては、患者の状態を十分に観察し、リスクとベネフィットを十分に考慮した上で、医師の判断でお願いします。なお、自己免疫性の肝障害患者さんは、添付文書上、自己免疫疾患の合併のある患者に該当します。

    また、重大な副作用として、肝不全,肝機能障害があらわれることがあるため,投与に際しては、定期的に肝機能検査を行い,患者さんの状態を十分に確認するようお願い致します。

    9. 特定の背景を有する患者に関する注意[1]

    9. 1 合併症・既往歴等のある患者

    9. 1. 1 自己免疫疾患の合併又は慢性的若しくは再発性の自己 免疫疾患の既往歴のある患者

    9.3 肝機能障害患者

    9.3.1 重度の肝機能障害のある患者

    重度の肝機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。

    <参考>

    ◆インタビューフォーム Ⅶ.薬物動態に関する項目[2]

    6.代謝:該当資料なし

    「バイオテクノロジー応用医薬品の非臨床における安全性評価」ガイドライン(ICH S6)(薬食審査発0323第1号、平成24年3月23日)において、「バイオ医薬品の期待される代謝は、小さなペプチド及び各アミノ酸への分解です。したがって、その代謝経路は一般によく分かっています。一般の医薬品で実施される従来の生体内変化を調べる試験は必要ない」と記載されており、イピリムマブについてもその代謝に関する検討は行いませんでした。

    7.排泄:該当資料なし

    「バイオテクノロジー応用医薬品の非臨床における安全性評価」ガイドライン(ICH S6)(薬食審査発0323第1号、平成24年3月23日)において、「物質収支を評価するための画一的な試験からはあまり有益な情報は得られない」と記載されています。排泄試験は放射性同位体で標識された薬物を用いて実施されるが、放射性同位体で標識された蛋白は小さな分子へと分解されて他の蛋白及びペプチドに取り込まれて再利用されることからデータの解釈は困難と考えられるため、排泄試験は通常実施されません。以上より、本剤についてもその排泄に関する検討は行いませんでした[2]



    A 添付文書上、妊婦への投与に関しては以下の記載で注意喚起しております。

    9. 特定の背景を有する患者に関する注意[1]

    9.5 妊婦

    妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠中に本剤を投与するか,本剤投与中の患者が妊娠した場合は,本剤投与による催奇形性,流産等が生じる可能性があることについて,患者に十分説明すること。ヒトIgGは胎盤を通過することが報告されており,本剤は胎児へ移行する可能性がある。また,動物実験(サル)で器官形成期から分娩までの投与により,AUC比較で臨床曝露量の約8.3倍に相当する投与量で,泌尿生殖器系の奇形,早産,出生児低体重が認められ,AUC比較で臨床曝露量の約3.1倍に相当する投与量で,流産,死産,出生児の早期死亡等の発現頻度の増加が認められている。

    <参考>

    ◆米国の添付文書[2]

    8.1 Pregnancy

    Risk Summaryの抜粋

    Based on findings from animal studies and its mechanism of action, YERVOY can cause fetal harm when administered to a pregnant woman. There is insufficient human data for YERVOY exposure in pregnant women.

    In the U.S. general population, the estimated background risk of major birth defects and miscarriage in clinically recognized pregnancies is 2% to 4% and 15% to 20%, respectively.

    ◆オーストラリアの添付文書[2]

    Use in pregnancy (Category C)

    YERVOY is not recommended during pregnancy or in women of childbearing potential not using effective contraception, unless the clinical benefit outweighs the potential risk.

    There are no data on the use of ipilimumab in pregnant women. It is not known whether ipilimumab can cause foetal harm when administered to a pregnant woman.

    ※カテゴリーCの定義[2]

    Category C: Drugs which, owing to their pharmacological effects, have caused or may be suspected of causing, harmful effects on the human fetus or neonate without causing malformations. These effects may be reversible.

    インタビューフォーム 2. 毒性試験 (5)生殖発生毒性試験(サル)[2]

    妊娠カニクイザル(各群19~20匹)の器官形成期から分娩までに本剤を10及び30mg/kgの用量で3週間に1回静脈内投与した結果、胎児発生への影響が認められました。母動物で認められた変化は、10mg/kg以上での薬理作用を介した妊娠第3三半期の血清中IgGの増加、30mg/kgでの妊娠期間の短縮のみであったが、出生児においては、30mg/kg群で早期剖検した出生児2匹の泌尿生殖器に奇形が認められ、10及び30mg/kg群で妊娠第3三半期の流産及び死産の増加、出生児の早期死亡及び出生児体重の低値が認められました。

    母動物の一般状態に関する無毒性量は30mg/kg(母動物AUC:115000μg・h/mL)と推定され、胎児発生に関する無毒性量は決定できませんでした[母動物AUC:50500μg・h/mL未満]。

    本剤はヒトIgGであるため、胎盤関門を通過して母動物から胎児へ移行する可能性があります。出生児の血清中イピリムマブ濃度は出生後3ヵ月まで母動物と同等でした(出生児と母動物の血清中イピリムマブ濃度比:1.1±0.6~1.7±1.1)。

    本試験における母動物の曝露量(AUC)は、3mg/kgを3週間に1回投与したヒト曝露量のそれぞれ3.1倍(10mg/kg)及び8.3倍(30mg/kg)に相当しました。



    A 添付文書上、授乳婦への投与に関して、以下の記載で注意喚起しております。

    9. 特定の背景を有する患者に関する注意[1]

    9.6 授乳婦

    治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(サル)における妊娠期間中の投与で、乳汁中への移行が認められている。また、ヒトIgGはヒト乳汁中に移行するため,本剤も移行する可能性がある。

    <参考>

    ◆インタビューフォーム5. 分布[2]

    (3)乳汁への移行性:該当資料なし

    <参考>(カニクイザル)

    妊娠カニクイザルに本剤を10又は30mg/kgの用量で、妊娠20〜22日から分娩まで3週間に1回の頻度で計6回静脈内投与しました。その結果、母動物の乳汁中イピリムマブ濃度(母動物血清中イピリムマブ濃度の0.2%〜0.4%)は分娩後21日まで低かったことから、本剤の乳汁への移行はほとんどないことが示されました。



    A 添付文書上、自己免疫疾患の合併又は慢性的若しくは再発性の自己免疫疾患の既往歴のある患者へは以下の記載で注意喚起しております。

    投与に際しては、患者の状態を十分に観察し、リスクとベネフィットを十分に考慮した上で、医師の判断でお願いします。

    9. 特定の背景を有する患者に関する注意[1]

    9.1 合併症・既往歴等のある患者

    9.1.1 自己免疫疾患の合併又は慢性的若しくは再発性の自己免疫疾患の既往歴のある患者

    自己免疫疾患が増悪するおそれがある。

    参考文献


  • 1) 添付文書