B型肝炎ウイルス(HBV)の患者に投与してもよいですか?

■投与可否
添付文書上、抗リウマチ生物製剤によるB型肝炎ウイルスの再活性化が報告されているため、B型肝炎ウイルスキャリア(HBs抗原陽性)又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)にアバタセプトを投与する場合は、患者の臨床症状と臨床検査値の観察を十分に行い、B型肝炎の再燃の徴候に注意して頂くよう注意喚起しております(引用1)。また、国内外の主要臨床試験では、ウイルス肝炎のスクリーニング検査で陽性であった患者は除外されており(引用1)、投与可否については、患者様の状態に合わせて、肝臓専門医とご相談ください。

<添付文書>
1. 警告
1.1 本剤を投与された患者に,重篤な感染症等があらわれることがある。敗血症,肺炎,真菌感染症を含む日和見感染症等の致命的な感染症が報告されているため,十分な観察を行うなど感染症の発現に注意すること。(以下省略)
2. 禁忌
2.2 重篤な感染症の患者
8. 重要な基本的注意
8.2 本剤を含む免疫系に影響を及ぼす薬剤において,感染症に対する宿主の感染防御機構に影響を及ぼす可能性がある。
8.2.1 本剤投与中は,十分な観察を行い新たな感染症の発現に注意すること。
8.2.3 抗リウマチ生物製剤によるB型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている。本剤投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認すること。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意 9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 感染症(重篤な感染症を除く)の患者又は感染症が疑われる患者(感染症の再発を繰り返す患者,慢性,潜在性の感染又は局所感染がある患者等)
感染症の発現や増悪に十分注意すること。
9.1.4 B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性,かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)患者の臨床症状と臨床検査値の観察を十分に行い,B型肝炎の再燃の徴候に注意すること。なお,臨床試験では,ウイルス肝炎のスクリーニング検査で陽性であった患者は試験対象から除外された。

【参考】
日本肝臓学会肝炎診療ガイドライン作成委員会編:B型肝炎治療ガイドラインもご参照ください。
http://www.jsh.or.jp/medical/guidelines/jsh_guidlines/hepatitis_b

■B型肝炎の副作用発現頻度
・点滴静注製剤の承認時までの国内外臨床試験において、B型肝炎発症の報告はありませんでした(引用2)。
・点滴静注製剤の国内使用成績調査(全例調査)においては、B型肝炎及びB型肝炎再活性化が各1例(0.03%)、B型肝炎抗原陽性及びB型肝炎DNA増加が各1例(0.03%)発現しました(引用2)。
・点滴静注製剤の国内第Ⅳ相試験において、B型肝炎DNA増加が1例(0.5%)発現しました(引用2)。

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