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添付文書上、慢性閉塞性肺疾患(COPD)のある患者は特定の背景を有する患者に関する注意に該当します。慢性閉塞性肺疾患のある患者にアバタセプトを投与する場合には、慢性閉塞性肺疾患の増悪や気管支炎を含む重篤な副作用が発現することがあるので十分注意して頂くようお願いいたします(引用1)。
<添付文書>
9. 特定の背景を有する患者に関する注意 9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.6 慢性閉塞性肺疾患のある患者慢性閉塞性肺疾患の増悪や気管支炎を含む重篤な副作用が発現したとの報告がある。
<投与報告>
◆海外臨床試験
点滴静注用製剤の海外第III相臨床試験(IM101-031・ASSURE試験)において、慢性閉塞性肺疾患を合併した関節リウマチ患者にオレンシア点滴静注用(37例)又はプラセボ(17例)の投与を行ったところ、有害事象の発現頻度はオレンシア点滴静注用群で97.3%(36/37 例)、プラセボ群で88.2%(15/17 例)でした。被験者数が少ないため、明らかな結論を導くことはできませんが、COPD を合併した関節リウマチ患者に本剤を投与すると、COPD の悪化を含む呼吸器系の有害事象が増加する傾向がみられました(オレンシア点滴静注用群:43.2%、プラセボ群:23.5%)。オレンシア点滴静注用群で発現した主な事象(発現頻度5%超)は、咳嗽、低音性連続性ラ音、慢性閉塞性気道疾患の増悪、慢性閉塞性気道疾患、呼吸困難、鼻閉、気道うっ血でした。COPD が悪化した被験者は、アバタセプト群で4 例(10.8%)、プラセボ群で1例(5.9%)でした。呼吸器系の有害事象の大部分は軽度又は中等度でした(引用2)。
◆市販後情報
点滴静注用製剤の市販後に実施した関節リウマチの適応に対する使用成績調査(全例調査)において、安全性解析対象症例3,967例中慢性閉塞性肺疾患の合併が認められたた関節リウマチ患者98例では18例(18.4%)に副作用が認められ、そのうち3例(3.1%)は重篤な副作用でした(再審査終了時)。被験者数が少ないため、明らかな結論を導くことはできませんが、慢性閉塞性肺疾患のある患者に本剤を投与する場合には、慢性閉塞性肺疾患の増悪や気管支炎を含む重篤な副作用が発現することがあるので十分注意してください(引用3)。
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