A
添付文書上、以下の記載となっており、透析患者は投与禁忌となっております。(引用1)。
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
<非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制>
2.4 腎不全(クレアチニンクリアランス(CLcr)15mL/min未満)の患者
<静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制>
2.5 重度の腎障害(CLcr 30mL/min未満)の患者
透析患者を対象にアピキサバンの有効性・安全性を評価するための治験は行っておりませんので、これらの患者への投与は推奨できません。
<参考>
薬物動態:
末期腎疾患(ESRD)8例と正常腎機能の健常人8例を対象にアピキサバンを投与してPKPD・安全性を検討したオープンラベル単回投与のPhase1試験の報告がございます(引用2)。
本報告では、健常人にはアピキサバン1回5mgを経口投与し、透析を受けているESRD患者には、4時間の血液透析直後に アピキサバン5mgを単回経口投与したときと、アピキサバン5mgを単回投与2時間後に4時間の血液透析を行ったときの薬物動態学的パラメータや血液凝固能、抗Xa活性を測定しています。透析終了直後にアピキサバンを経口投与したところ(=透析なし)、健常人と比べて、ESRD患者ではCmaxが10%低下した一方、AUCinfが36%高値でした。一方、透析2時間前にアピキサバンを投与したところ(透析中)、ESRD患者でのでは健常人と比べて、アピキサバンのCmaxは13%、AUCinfは14%減少しています。ESRDの3例で認められた有害事象はいずれも軽度から中等度のものでしたが、1例で透析中の重篤な低血圧が認められています(引用2)。
中度腎機能障害、重度腎機能障害、健康成人にアピキサバン10mg単回経口投与し、PKPD・安全性を検討した報告がございます(引用2)。
腎機能低下はわずかにアピキサバンの曝露量を増加させたが(健康成人に比べて重度腎機能障害でAUC∞は44%増加)、Cmaxや血中濃度と抗Xa活性の関連やINRには影響しませんでした。この試験ではアピキサバンの忍容性は良好でした。これらの結果より、腎機能単独でのアピキサバンの用量調節は必要ないことが示唆されました(引用3)。
<引用>
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