エリキュース® (アピキサバン) 添付文書

エリキュース® (アピキサバン) 添付文書

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A 苛酷試験(光)の結果、25℃/蛍光灯/紫外線・シャーレ開放の条件下、6.25日*の保存期間において、光に対して安定であることが確認されました。

*光安定性試験ガイドラインで示された曝光量に相当します(総照度として120 万lx・hr 及び総近紫外放射エネルギーとして200W・h/m2)[1]



A 本剤添付文書には以下の記載で注意喚起しており、活性を直接モニタリングする指標はありません[2]

8. 重要な基本的注意

<効能共通>

8.1 凝固能検査(プロトロンビン時間(PT)、国際標準比(INR)、活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)等)は、本剤の抗凝固能をモニタリングする指標とはならないため、本剤投与中は出血や貧血等の徴候を十分に観察すること。また、必要に応じて、血算値(ヘモグロビン値)、便潜血等の検査を実施し、急激なヘモグロビン値や血圧の低下等の出血徴候を確認こと。臨床的に問題となる出血や貧血の徴候が認められた場合には、本剤の投与を中止し、出血の原因を確認すること。また、症状に応じて適切な処置を行うこと。


参考文献


  • 2) 添付文書

  • A 本剤を服用し忘れた場合には、気づいたときにすぐに1回量を服用し、その後通常どおり1日2回服用します。服用し忘れた場合でも一度に2回量を服用しないよう、患者さんにご指導ください[3]

    <参考>

    アピキサバンの母集団薬物動態解析の結果を紹介します。患者が服薬を忘れ、次の服薬予定時に飲み忘れたものを同時に服薬した場合、予定どおりに服薬した場合と比較し、服薬後24時間のAUC及びCmaxは19%及び32%上昇すると予測されました。さらに、服薬を忘れた後に次の服薬予定時の6時間前に飲み忘れたものを服用した場合、予定どおりに服薬した場合と比較してAUC及びCmaxは10%及び17%上昇すると予測されました※,[1]

    ※体重70Kg、CLcr 80mL/min、65歳の非アジア人AF 男性患者がアピキサバン5mg 1日2回投与を受け、CYP3A4/P-gp阻害剤は併用していない条件での血漿中濃度-時間プロファイルを母集団薬物動態モデルを用いて予測しました。



    A 本剤は、食前・食後どちらの服用も可能です。服用に伴う食事の制限は特にありません(高血圧や糖尿病の治療のための食事制限は守るようにご指導ください)[3]

    <参考>

    添付文書

    16. 薬物動態

    16.2 吸収

    16.2.1 食事の影響

    健康成人22例において、絶食時及び食後にアピキサバンを5mg単回経口投与したとき、食後投与におけるCmax及びAUCは、絶食時と比較してそれぞれ約15%及び20%減少した(外国人データ)[2]


    参考文献


  • 2) 添付文書
  • 3) 適正使用ガイド

  • A 服用時間は添付文書上、特に規定されておりませんが、1日2回服用してください。

    ただし、時間を決めて、毎日同じ時間帯に服用するようにしてください[3]


    参考文献


  • 3) 適正使用ガイド

  • A 他剤との切り替えについては添付文書の重要な基本的注意の項に記載しております[2]

    <添付文書の重要な基本的注意の項>

    8.4 ビタミンK拮抗剤(ワルファリン)から本剤へ切り替える際には、ビタミンK拮抗剤の投与を中止し、PT-INRが非弁膜症性心房細動患者では2.0未満、静脈血栓塞栓症患者では治療域の下限未満となってから本剤の投与を開始すること。

    8.5 本剤からビタミンK拮抗剤(ワルファリン)に切り替える際には、PT-INRが治療域の下限を超えるまでは、本剤とワルファリンを併用すること。

    8.6 他の抗凝固剤(注射剤)から本剤に切り替える場合、次回に投与を予定していた時間まで間隔をあけて、本剤の投与を開始すること。ただし、抗凝固剤(ヘパリン等)の持続静注から切り替える場合は、持続静注中止と同時に本剤の投与を開始すること。

    8.7 本剤から他の抗凝固剤(注射剤)へ切り替える場合は、次回に投与を予定していた時間まで間隔をあけて、切り替える薬剤の投与を開始すること。


    参考文献


  • 2) 添付文書

  • A 2.5mg錠および5mg錠ともに割線はありません[2]。分割投与は推奨しておりません。

    分割後の安定性データ、分割してヒトに投与したデータがないため、半錠投与はお勧めいたしません。

    なお、2.5mg錠の場合、さらなる減量は認められておりません。


    参考文献


  • 2) 添付文書

  • A 粉砕または簡易懸濁法による安定性データ、有効性・安全性データがなく、承認された剤形での投与ではないことから、推奨しておりません。従いまして、医師の裁量と判断により行って頂きますよう、お願いいたします。

    ご参考として、粉砕後の懸濁した際の安定性データ等がございますので、ご紹介いたします。

    <参考>

    ◆粉砕後の各種懸濁液中での安定性[1]

    アピキサバン錠2.5mg、5mg及び10mg(5mg錠×2)の粉砕・懸濁後の安定性試験を水、5%ブドウ糖液(米国薬局方)、アップルジュース及びアップルソースを用いて実施した際に、各種懸濁液を30℃/75%RH・室内散光下で4時間保存しました。安定性試験結果の概要を以下にお示しします。

    ①含量

    試験開始時の含量は95.2~101.4%でした。粉砕後、水、5%ブドウ糖液、アップルジュース及びアップルソースに懸濁したサンプルを30℃/75%RH・室内散光下で保存した場合、4時間後の含量は95.8~101.6%であり、開始時と比較してほとんど変化は認められませんでした。

    ②不純物

    2.5mg錠を粉砕後、アップルソースに懸濁したサンプルを除き、30℃/75%RH・室内散光下で保存したすべてのサンプルについて、不純物総量は試験開始時に0.10%未満であり、4時間後も変化はありませんでした。2.5mg錠を粉砕後、アップルソースに懸濁したサンプル中の不純物総量は、試験開始時に0.13%、4時間後に0.11%でした。



    A 他の非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)から本剤に切り替える場合は、次回に投与を予定していた時間まで間隔をあけて、本剤の投与を開始してください[3]


    参考文献


  • 3) 適正使用ガイド

  • A 本剤添付文書では、以下のように記載し、注意喚起しております[2]

    8. 重要な基本的注意

    <効能共通>

    8.6 他の抗凝固剤(注射剤)から本剤に切り替える場合、次回の投与を予定していた時間まで間隔をあけて、本剤の投与を開始すること。ただし、抗凝固剤(ヘパリン等)の持続静注から切り替える場合は、持続静注中止と同時に本剤の投与を開始すること。


    参考文献


  • 2) 添付文書

  • A 添付文書警告および重要な基本的注意の項目にて以下の注意喚起を行っております[2]

    6. 用法及び用量

    <非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制>

    通常、成人にはアピキサバンとして1回5mgを1日2回経口投与する。なお、年齢、体重、腎機能に応じて、アピキサバンとして1回2.5mg1日2回投与へ減量する。

    <静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制>

    通常、成人にはアピキサバンとして1回10mgを1日2回、7日間経口投与した後、1回5mgを1日2回経口投与する。

    7.用法及び用量に関連する使用上の注意

    〈非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制〉

    7.用法及び用量に関連する使用上の注意

    〈非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制〉

    7.1 次の基準の2つ以上に該当する患者は、出血のリスクが高く、本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるため、1回2.5mg1日2回経口投与する。(「臨床成績」の項参照)

    ・80歳以上(「高齢者への投与」の項参照)

    ・体重60kg以下

    ・血清クレアチニン1.5mg/dL以上

    〈静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制〉

    7.2 特に静脈血栓塞栓症発症後の初期7日間の1回10mg1日2回投与中は、出血のリスクに十分注意すること。


    参考文献


  • 2) 添付文書

  • A 本剤の添付文書上、血栓溶解剤(ウロキナーゼ、t-PA等)は、出血を助長するおそれがあるため併用注意となっています。併用する場合には、出血の徴候を十分に観察してください[2]

    また、静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制に対する本剤の投与に関しては、以下の記載をして注意喚起しております[2]

    5.効能又は効果に関連する注意

    <静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制>

    5.1 ショックや低血圧が遷延するような血行動態が不安定な肺血栓塞栓症患者又は血栓溶解剤の使用や肺血栓摘出術が必要な肺血栓塞栓症患者における有効性及び安全性は確立していないため、これらの患者に対してヘパリン代替療法として本剤を投与しないこと。


    参考文献


  • 2) 添付文書

  • A 添付文書上、VTE治療の投与量の減量規定はございません[2]。よって、NVAFで減量基準に該当する患者も,VTE治療の投与量の変更や減量は必要ございません。


    参考文献


  • 2) 添付文書

  • A 本剤の添付文書上、以下の記載を行い、注意喚起しております[2]

    下大静脈フィルターの併用は、患者さんの状態に応じて、主治医によりご判断いただきますようお願い致します。

    5. 効能又は効果に関連する注意

    <静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制>

    5.2 下大静脈フィルターが留置された患者における本剤の使用経験が少ないため、これらの患者に投与する場合には、リスクとベネフィットを十分考慮すること。


    参考文献


  • 2) 添付文書

  • A 本剤の AUCが2倍程度に上昇したとしても、出血リスクの著明な上昇は無いと考えられており、現在のところ、併用禁忌の薬剤はありません[3]。 CYP3A4及びP-糖蛋白の双方を強力に阻害するケトコナゾールにおいてもAUCが約2倍程度の上昇であったことから[3]、同等の阻害作用を持つアゾール系抗真菌剤、HIVプロテアーゼ阻害剤においては、併用注意とした上で、念のため2.5mg1日2回投与への減量を考慮すること、あるいは、治療上の有益性と危険性を十分に考慮し、本剤との併用が適切と考えられない患者には併用しないこと、と添付文書に記載されています。他の同程度の相互作用が予測される薬剤についても併用注意としています[1]



    A 添付文書上、重要な基本的注意および相互作用の各項目に、これらの薬剤との併用に関して以下の記載をして注意喚起しております[2]

    8. 重要な基本的注意

    <効能共通>

    8.3 抗血小板薬2剤との併用時には、出血リスクが特に増大するおそれがあるため、本剤との併用についてはさらに慎重に検討し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ、これらの薬剤と併用すること。

    10.相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    血小板凝集抑制作用を有する薬剤

    アスピリン、クロピドグレル塩酸塩、ジピリダモール、チクロピジン塩酸塩、シロスタゾール、オザグレルナトリウム等

    15. その他の注意

    15.1 臨床使用に基づく情報

    15.1.1 日本人を含む急性冠症候群の患者(承認外効能・効果)を対象とした国際共同臨床試験において、本剤5mg1日2回群とプラセボ群の比較が行われたが、本剤群で臨床的に重要な出血の増加が認められたこと等から、試験は早期に注意となった。この試験ではほとんどの患者でアスピリン及びチエノピリジン系抗血小板薬の2剤との併用が行われていた。


    参考文献


  • 2) 添付文書

  • A 添付文書上、特にアルコールとの相互作用は規定しておりませんが[2]、個々の患者の状態に応じて、主治医によりご判断ください。


    参考文献


  • 2) 添付文書

  • A 添付文書上、併用について注意喚起は行っておらず[2]、納豆,青汁,緑黄色野菜,海藻などのビタミンKを多く含む食物の制限はありません[3]


    参考文献


  • 2) 添付文書
  • 3) 適正使用ガイド

  • A 本剤の添付文書上、以下の記載で注意喚起しております[2]

    1. 警告

    <効能共通>

    1.1 本剤の投与により出血が発現し、重篤な出血の場合には、死亡に至るおそれがある。本剤の使用にあたっては、出血の危険性を考慮し、本剤投与の適否を慎重に判断すること。本剤による出血リスクを正確に評価できる指標は確立されていないため、本剤投与中は、血液凝固に関する検査値のみならず、出血や貧血等の徴候を十分に観察すること。これらの徴候が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。

    8. 重要な基本的注意

    <効能共通>

    8.1 凝固能検査(プロトロンビン時間(PT)、国際標準比(INR)、活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)等)は、本剤の抗凝固能をモニタリングする指標とはならないため、本剤投与中は出血や貧血等の徴候を十分に観察すること。また、必要に応じて、血算値(ヘモグロビン値)、便潜血等の検査を実施し、急激なヘモグロビン値や血圧の低下等の出血徴候を確認すること。臨床的に問題となる出血や貧血の徴候が認められた場合には、本剤の投与を中止し、出血の原因を確認すること。また、症状に応じて、適切な処置を行うこと。

    8.2 患者には、鼻出血、皮下出血、歯肉出血、血尿、喀血、吐血及び血便等、異常な出血の徴候が認められた場合、医師に連絡するよう指導すること。

    なお、本剤投与中の患者で生命を脅かす出血又は止血困難な出血の発現時に本剤の抗凝固作用の中和を必要とする場合については、以下の記載をして注意喚起しております[2]

    8.11 本剤投与中の患者で生命を脅かす出血又は止血困難な出血の発現時に本剤の抗凝固作用の中和を必要とする場合には、中和剤であるアンデキサネット アルファ(遺伝子組換え)の電子添文を必ず参照し、禁忌、用法及び用量に関連する注意、重要な基本的注意、特定の背景を有する患者に関する注意、副作用等の使用上の注意の記載を確認すること。


    参考文献


  • 2) 添付文書

  • A 添付文書上、以下の記載を行って注意喚起を行っております[2]

    11.1 重大な副作用

    11.1.2 間質性肺疾患(頻度不明)

    咳嗽、血痰、息切れ、呼吸困難、発熱、肺音の異常等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。間質性肺疾患が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。


    参考文献


  • 2) 添付文書

  • A 添付文書上、以下の記載を行って注意喚起を行っております[2]

    13.過量投与

    13.1 症状

    本剤の過量投与により、出血リスクが増大する。

    13.2 処置

    出血の徴候が認められた場合には、適切な処置を行うこと。また、活性炭による処置を考慮すること。

    外国人健康成人において、本剤20mgを経口投与後2及び6時間に活性炭を経口投与したとき、アピキサバンのCmaxは変化しなかったが、AUCは約50%及び27%低下し、消失半減期は活性炭非投与時の13.4時間から5.3及び4.9時間に短縮した。 血液透析による除去は有効ではない。

    出血した場合には、症状に応じて外科的止血や新鮮凍結血漿の輸注等も考慮すること。

    なお、本剤投与中の患者で生命を脅かす出血又は止血困難な出血の発現時に本剤の抗凝固作用の中和を必要とする場合については、以下の記載をして注意喚起しております[2]

    8. 重要な基本的注意

    8.11 本剤投与中の患者で生命を脅かす出血又は止血困難な出血の発現時に本剤の抗凝固作用の中和を必要とする場合には、中和剤であるアンデキサネット アルファ(遺伝子組換え)の電子添文を必ず参照し、禁忌、用法及び用量に関連する注意、重要な基本的注意、特定の背景を有する患者に関する注意、副作用等の使用上の注意の記載を確認すること。


    参考文献


  • 2) 添付文書

  • A 出血のリスクとの相関を示すマーカーはありません。

    添付文書上、以下の記載で注意喚起を行っております[2]

    8. 重要な基本的注意

    <効能共通>

    8.1 凝固能検査(プロトロンビン時間(PT)、国際標準比(INR)、活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)等)は、本剤の抗凝固能をモニタリングする指標とはならないため、本剤投与中は出血や貧血等の徴候を十分に観察すること。また、必要に応じて、血算値(ヘモグロビン値)、便潜血等の検査を実施し、急激なヘモグロビン値や血圧の低下等の出血徴候を確認すること。臨床的に問題となる出血や貧血の徴候が認められた場合には、本剤の投与を中止し、出血の原因を確認すること。また、症状に応じて、適切な処置を行うこと。


    参考文献


  • 2) 添付文書

  • A エリキュースにおける半用量への減量は、添付文書にて定められた減量基準の3項目の内2項目を満たした場合に行うようになっています。1項目のみ該当であれば基本的に減量の必要はありません[2]。しかしながら、減量基準項目は、いずれも出血リスクの因子です。これらに該当する場合は、投与中は出血や貧血等の徴候を十分に観察し、必要に応じてヘモグロビン値や便潜血等の検査を実施し、急激なヘモグロビン値や血圧の低下等の出血徴候を確認していただき、出血の徴候が認められた場合には本剤の投与を中止し、出血の原因を確認してください。症状に応じて、適切な処置を行ってください[3]


    参考文献


  • 2) 添付文書
  • 3) 適正使用ガイド

  • A 添付文書上、以下の記載をして注意喚起しております。

    9.特定の背景を有する患者に関する注意

    9.2 腎機能障害患者

    <非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制>

    9.2.2 腎障害(CLcr 15~50mL/min)のある患者

    出血の危険性が増大するおそれがある。

    <静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制>

    9.2.4 腎障害(CLcr 30~50mL/min)のある患者

    出血の危険性が増大するおそれがある[2]

    なお、血清クレアチニン1.5mg/dL以上はNVAF投与時の減量基準の1つになります。

    投与時の患者の状態を十分に考慮しリスクとベネフィットを十分に考慮した上で医師の判断でお願いします。

    <参考>

    腎機能障害者における薬物動態(CV185018)「外国人データ」

    外国人成人腎機能障害者〔軽度(クレアチニンクリアランス[CLcr]51~80mL/min:10例)、中等度(CLcr30~50mL/min:7例)、重度(CLcr15~29mL/min:7例)〕及び腎機能正常成人(CLcr>80mL/min:8例)に、アピキサバン10mgを単回経口投与したときの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータを以下に示します。回帰モデルによる推定結果から、腎機能障害が軽度(24時間のCLcr=65mL/min)、中等度(24時間のCLcr=40mL/min)及び重度(24時間のCLcr=25mL/min)の被験者で、腎機能が正常な被験者(24時間のCLcr=100mL/min)と比較して、アピキサバンのCmaxの幾何平均値はそれぞれ2%、3%及び4%高く、AUC0-∞の幾何平均値はそれぞれ16%、29%及び38%高い値でした。24時間のCLcrが15mL/minと、非常に低い場合でも、腎機能が正常な被験者からのAUCの増加率は約44%と推定されました[1]

    図 単回経口投与時の血中濃度(腎機能別)

    グラフ, 折れ線グラフ

自動的に生成された説明

    表 回帰モデルに基づくアピキサバンCmax, AUC(0-inf)の統計解析結果

    テーブル

自動的に生成された説明


    A 添付文書上、以下の記載となっており、透析患者は投与禁忌となっております[2]

    2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

    <非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制>

    2.4 腎不全(クレアチニンクリアランス(CLcr)15mL/min未満)の患者

    <静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制>

    2.5 重度の腎障害(CLcr 30mL/min未満)の患者

    透析患者を対象にアピキサバンの有効性・安全性を評価するための治験は行っておりませんので、これらの患者への投与は推奨できません。

    <参考>

    薬物動態:

    末期腎疾患(ESRD)8例と正常腎機能の健常人8例を対象にアピキサバンを投与してPKPD・安全性を検討したオープンラベル単回投与のPhase1試験の報告がございます[1]

    本報告では、健常人にはアピキサバン1回5mgを経口投与し、透析を受けているESRD患者には、4時間の血液透析直後に アピキサバン5mgを単回経口投与したときと、アピキサバン5mgを単回投与2時間後に4時間の血液透析を行ったときの薬物動態学的パラメータや血液凝固能、抗Xa活性を測定しています。透析終了直後にアピキサバンを経口投与したところ(=透析なし)、健常人と比べて、ESRD患者ではCmaxが10%低下した一方、AUCinfが36%高値でした。一方、透析2時間前にアピキサバンを投与したところ(透析中)、ESRD患者でのでは健常人と比べて、アピキサバンのCmaxは13%、AUCinfは14%減少しています。ESRDの3例で認められた有害事象はいずれも軽度から中等度のものでしたが、1例で透析中の重篤な低血圧が認められています[1]

    中度腎機能障害、重度腎機能障害、健康成人にアピキサバン10mg単回経口投与し、PKPD・安全性を検討した報告がございます[1]



    A 添付文書では、血液凝固異常及び臨床的に重要な出血リスクを有する肝疾患への投与は禁忌です。また、重度の肝障害のある患者へは使用経験がありません[2]

    2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

    <効能共通>

    2.3 血液凝固異常及び臨床的に重要な出血リスクを有する肝疾患患者[出血の危険性が増大するおそれがある。]

    9. 特定の背景を有する患者に関する注意

    9.3 肝機能障害患者

    9.3.1 重度の肝障害のある患者

    重度の肝障害のある患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。


    参考文献


  • 2) 添付文書

  • A 添付文書上、妊娠時の投与に関して、以下の記載があります。

    9. 特定の背景を有する患者に関する注意

    9.5 妊婦

    妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(マウス、ラット及びウサギ)で胎児への移行が認められている[2]

    <参考>

    ◆オーストラリアの妊娠カテゴリー

    Category C[1]

    ◆動物(ラット、マウス、ウサギ)を使った生殖発生毒性試験のデータ

    ①受胎能及び着床までの初期胚発生に関する試験

    ラット雌雄親動物生殖能及び初期胚発生にアピキサバン投与による影響は認められませんでした。無毒性量の600mg/kg/日における雄及び雌のAUCは、臨床推奨用量でのヒトAUCのそれぞれ9倍及び12倍でした[1]

    ②胚・胎児発生に関する試験

    マウス、ラット及びウサギを用いた各試験の最高用量において、アピキサバン投与による胚・胎児発生への影響及び奇形の発生は認められませんでした。母動物ではアピキサバンの薬理作用によるPT延長が認められましたが、胚・胎児発生には影響を及ぼしませんでした。また、各動物種において(ウサギ経口投与試験を除く)、胎児へのアピキサバンの曝露が確認されました。なお、ウサギの経口投与では十分なアピキサバンの曝露量が得られなかったため、ウサギの静脈内投与及びマウスの経口投与試験を実施しました。ラット及びマウス試験の無毒性量における母動物のAUCは、臨床推奨用量でのヒトAUCのそれぞれ5倍及び12倍でした[1]

    ③出生前及び出生後の発生ならびに母体の機能に関する試験

    ラットに用いた試験において、母動物毒性がみられなかった200mg/kg/日以上の用量でF1世代の雌に交尾率の低下及びそれに伴う妊娠率の低下が軽度に認められましたが、施設背景値の範囲内又は背景値をわずかに下回る程度であり、母動物のAUCが臨床推奨用量におけるヒトAUCの14倍以上に相当する高曝露量でのみ認められた所見であることから、ヒトへの外挿性は低いと考えられました。母動物及び雄出生児の無毒性量におけるAUCは臨床推奨用量でのヒトAUCの15倍、雌出生児の無毒性量におけるAUCはヒトAUCの4倍でした[1]



    A 添付文書上、授乳婦への投与に関して、以下の記載で注意喚起しております。

    9. 特定の背景を有する患者に関する注意

    9.6 授乳婦

    授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められている[2]


    参考文献


  • 2) 添付文書

  • A ヒトで検討したデータはありません。

    参考までに、ラットモデルでは胎盤通過性が認められています。

    <参考>

    妊娠18日のラット(SD、n=1/時点)に[14C]アピキサバンを5mg/kgの用量で単回経口投与したときの組織分布を定量的全身オートラジオグラフィーにより検討したところ、放射能は胎盤及び羊膜並びに胎児の血液、脳、腎臓及び肝臓に速やかに分布し、Tmaxは4時間でした。胎児血中Cmaxは0.509μg eq./g(母体血中Cmaxの36%)であり、放射能は投与後8時間でも検出可能でした(0.072μg eq./g)。投与後8時間では胎児脳の放射能が定量下限未満となり、投与後24時間では羊膜(3.52μg eq./g)を除く組織で定量下限未満でした。投与後48時間では胎児の全組織で定量下限未満となりました[1]



    A 添付文書上、男性患者のパートナーの妊娠に関して、特に規定はありません[2]

    主治医のご判断でお願い致します。

    <参考>

    ◆オーストラリアの妊娠カテゴリー[1]

    C(2019年6月)

    ◆生殖発生毒性試験(in vivo)[1]

    (1)受胎能及び着床までの初期胚発生に関する試験

    ラット雌雄親動物生殖能及び初期胚発生にアピキサバン投与による影響は認められなかった。無毒性量の600mg/kg/日における雄及び雌のAUCは、臨床推奨用量でのヒトAUCのそれぞれ9倍及び12倍であった。



    A 本剤の添付文書では、以下の記載をして、注意喚起しております[2]

    1.警告

    <静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制>

    1.2 脊椎・硬膜外麻酔あるいは腰椎穿刺等との併用により、穿刺部位に血腫が生じ、神経の圧迫による麻痺があらわれるおそれがあります。静脈血栓塞栓症を発症した患者が、硬膜外カテーテル留置中、もしくは脊椎・硬膜外麻酔又は腰椎穿刺後日の浅い場合は、本剤の投与を控えること。


    参考文献


  • 2) 添付文書

  • A 添付文書では、以下の記載をして、注意喚起しております[2]

    8. 重要な基本的注意

    <効能共通>

    8.8 待機的手術又は侵襲的手技を実施する患者では、患者の出血リスクと血栓リスクに応じて、本剤の投与を一時中止すること。出血に関して低リスク又は出血が限定的でコントロールが可能な手術・侵襲的手技を実施する場合は、前回投与から少なくとも24時間以上の間隔をあけることが望ましい。また、出血に関して中~高リスク又は臨床的に重要な出血を起こすおそれのある手術・侵襲的手技を実施する場合は、前回投与から少なくとも48時間以上の間隔をあけること。なお、必要に応じて代替療法(ヘパリン等)の使用を考慮すること。緊急を要する手術又は侵襲的手技を実施する患者では、緊急性と出血リスクが増大していることを十分に比較考慮すること。

    8.9 待機的手術、侵襲的手技等による抗凝固療法(本剤を含む)の一時的な中止は、塞栓症のリスクを増大させる。手術後は、患者の臨床状態に問題がなく出血がないことを確認してから、可及的速やかに再開すること。

    なお、本剤投与中の患者で生命を脅かす出血又は止血困難な出血の発現時に本剤の抗凝固作用の中和を必要とする場合については、以下の記載をして注意喚起をしております[2]

    8.11 本剤投与中の患者で生命を脅かす出血又は止血困難な出血の発現時に本剤の抗凝固作用の中和を必要とする場合には、中和剤であるアンデキサネット アルファ(遺伝子組換え)の電子添文を必ず参照し、禁忌、用法及び用量に関連する注意、重要な基本的注意、特定の背景を有する患者に関する注意、副作用等の使用上の注意の記載を確認すること。


    参考文献


  • 2) 添付文書

  • A アピキサバンは術式、手技によって休薬期間を具体的に定めておりません。

    添付文書上、以下の記載を行い注意喚起しております[2]

    8.重要な基本的注意

    8.8 待機的手術又は侵襲的手技を実施する患者では、患者の出血リスクと血栓リスクに応じて、本剤の投与を一時中止すること。出血に関して低リスク又は出血が限定的でコントロールが可能な場合は、24時間以上の間隔をあけることが望ましい。また、出血に関して中~高リスク又は臨床的に重要な出血を起こすおそれのある手術・侵襲的手技を実施する場合は、前回投与から少なくとも48時間以上の間隔をあけること。なお、必要に応じて代替療法(ヘパリン等)の使用を考慮すること。緊急を要する手術又は侵襲的手技を実施する患者では、緊急性と出血リスクが増大していることを十分に比較考慮すること。

    8.9 待機的手術、侵襲的手技等による抗凝固療法(本剤を含む)の一時的な中止は、塞栓症のリスクを増大させる。手術後は、患者の臨床的状態に問題がなく出血がないことを確認してから、可及的速やかに再開すること。


    参考文献


  • 2) 添付文書

  • A 添付文書の警告および重要な基本的注意の項目にて、以下の記載をして注意喚起を行っております[2]

    1. 警告<効能共通>

    1.1 本剤の投与により出血が発現し、重篤な出血の場合には、死亡に至るおそれがある。本剤の使用にあたっては、出血の危険性を考慮し、本剤投与の適否を慎重に判断すること。本剤による出血リスクを正確に評価できる指標は確立されていないため、本剤投与中は、血液凝固に関する検査値、出血や貧血等の徴候を十分に観察すること。これらの徴候が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。

    8. 重要な基本的注意<効能共通>

    8.8(抜粋)

    「緊急を要する手術・侵襲的手技の場合は、緊急性と出血リスクが増大していることを十分に比較考慮すること。」

    なお、本剤投与中の患者で生命を脅かす出血又は止血困難な出血の発現時に本剤の抗凝固作用の中和を必要とする場合については、以下の記載をして注意喚起をしております[2]

    8.11 本剤投与中の患者で生命を脅かす出血又は止血困難な出血の発現時に本剤の抗凝固作用の中和を必要とする場合には、中和剤であるアンデキサネット アルファ(遺伝子組換え)の電子添文を必ず参照し、禁忌、用法及び用量に関連する注意、重要な基本的注意、特定の背景を有する患者に関する注意、副作用等の使用上の注意の記載を確認すること。

    Reference

    参考文献

    参考文献


  • 2) 添付文書